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「僕らのことをしゃべってほしい。僕らの知らないスラングで」──Nagakumoと幽体コミュニケーションズ、交わる同世代の感性

Дата публикации: 18-09-2026 10:00:00


「僕らのことをしゃべってほしい

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2026/09/18 19:00

オオニシレイジ(Nagakumo)、paya(幽体コミュニケーションズ)

Nagakumoと幽体コミュニケーションズ。2020年代の始まりを覆ったコロナ禍にあって、このユニークな2バンドは関西から登場した。前者は、“ネオネオアコ”と称された完成度とエモーションが高いレベルで融合したギター・ポップ・サウンド。後者はiPhoneを楽器として用いる、21世紀のサイケデリック・ポップともいうべきスタイル。ひと目には対照的にも見える両者だが、実は目指している世界線の両側から手をグッと伸ばしているようにも感じられる。

2026年7月には、幽体コミュニケーションズがNagakumoを迎える形で「ディア・マイ・モーメント」をリリース。そして8月にはNagakumoのファースト・フル・アルバム『NGKM』、9月には東京に拠点を移した幽体コミュニケーションズのセカンド・アルバム『忘 れて』がほぼ同時期に出揃った。彼らは、2020年代のインディ・ポップに「Nagakumo以降、幽コミ以降」と呼べるような新たな分岐点を作るかもしれない。バンドの中心人物であるオオニシレイジ(Nagakumo)とpaya(幽体コミュニケーションズ)に、バンド同士のつながりやお互いの新作への思いを語ってもらった。

Nagakumoの“ネオネオアコ”がこれでもかと詰め込められた、1stアルバム
「忘れる」ことをテーマに、ボッサ、MPBへ挑戦した幽コミの2ndアルバム
INTERVIEW : オオニシレイジ(Nagakumo)× paya(幽体コミュニケーションズ)

■Nagakumo
オオニシレイジ(Gt)、コモノサヤ(Vo/Gt)、オオムラテッペイ(Ba)、ホウダソウ(Dr)
2021年1月1日活動開始のネオネオアコ・バンド。1999〜2001年生まれの4人が、渋谷系やネオアコ、ギターポップを独自の感性で鳴らす。2024年には〈CIRCLE’24〉、〈ONE MUSIC CAMP〉、〈YATSUI FESTIVAL〉など各地のフェスに出演。2026年には幽体コミュニケーションズ、スーパー登山部、Laura day romanceを迎えたツアーを開催し、東京公演はSHIBUYA CLUB QUATTROで行われた。8月26日に初のフル・アルバム『NGKM』をリリースし、東京・キネマ倶楽部、大阪・心斎橋Pangeaでワンマンライブを開催する。
■幽体コミュニケーションズ
paya(Vo/Gt)、いしし(Vo)、吉居大輝(Gt)
2019年に京都で結成された3人組ユニット。
フォークやヒップホップ等様々な音楽を圧縮コピーして混線させたチープでストレンジなサウンドの上に、男女混成によるあどけない歌声と四季に呼応する詩世界を同居させている。
結成間もなく『カクバリズムの文化祭』や『りんご音楽祭』・『ボロフェスタ』に出演し活動を広げ、2023年に『FUJI ROCK FESTIVAL’23 ROOKIE A GO GO』に出演。
2025年5月14日には、君島大空を共同制作者に迎えた楽曲「hito」を収録したバンド初のフルアルバム『文明の欠伸』を発表。
2026年春にはアコースティックワンマンツアー『春に別の名前をつけるとしたら何にしますか』を開催。
2026年9月9日には、2ndアルバム『忘 れて』をリリース、10月18日には渋谷WWWにてワンマンライブを開催する。

取材・文:松永良平
撮影:Honoka Murotani

“僕がやりたくてできなかった音”が鳴っている(paya)

──Nagakumoと幽体コミュニケーションズ(以下、幽コミ)はともに関西出身で、おふたりは1990年代後半生まれの同世代ですよね。お互いのバンドの存在はいつ知りました?

オオニシレイジ:僕ら(Nagakumo)は2021年から活動してるんですけど、バンドの始まりは幽コミの方が早いんですよ。

paya:僕はNagakumoに関しては、最初の音源を出した時にもう聴いてるはず。

レイジ:活動開始した直後から?

──2021年1月1日に「テレビショウ」のリリックビデオをYouTubeで公開したのが最初ですよね。

Nagakumo - テレビショウ

Nagakumo - テレビショウ

paya:そうです。そこから。 僕らもちょうど活動を始めたばかりで、コロナ禍だったこともあってライブもできず、周りにどんなバンドがいるのかもわからず、何をしたらいいのかなと思ってとりあえずいろいろ聴いていた、その中でNagakumoが突然飛び込んできた感じでした。

レイジ:確かに今考えるとコロナ禍の2020〜2021年頃って不思議な時期で、音源を出す前にライブを重ねて、ライブハウスから評判が広がって……みたいなことがほぼ不可能になってた時期。だから、突然バッと出てきたっていうふうに見えたんだと思うんですけど。

ライブができなかったんで、最初に音源制作からはじめる流れは自然でした。もうひとつは、「バンドを組みました」と言われても聴ける音源がなければそのバンドを好きになるかもわからない。 なので、まず音源を作っておいて、それを表に出すタイミングで「バンドやります」と言おうというのは、ある種戦略的にやった部分もあったかなと思います。

──payaさんは、「テレビショウ」を聴いてどう思いました?

paya:“僕がやりたくてできなかった音”が鳴ってるな、と思いました。Nagakumoは“ネオネオアコ”と掲げてますが、僕もネオアコのサウンド感はすごく好きだったんです。だけど、どうやったらあれが鳴らせるのかわかんなかったし、おそらく僕には無理だろうなって直感的に思っていて。 その理想的な音が鳴っているのを聴いて、すごく悔しかったというか、怖かった。あんまり直視できなかったし、まともに聴けなかったけど、すごく好きでした。

──オオニシさんは幽体コミュニケーションズの音楽についての最初の印象は?

レイジ:幽コミのことは2020年から知っていたけど、ちゃんとリリース作品を全部聴いたのは、幽コミが僕らをライブに誘ってくれたことがきっかけでした(2023年2月25日、京都・木屋町UrBANGUILD)。音源を聴いて、「え、めちゃくちゃヤバいやん」と気がついた。ライブを最初に観た時の衝撃もめちゃくちゃ覚えてますね。 すでに音源のクオリティが高いのに、ライブではその再現度がすごくて。音源を聴いた時の興奮がそのまま、それ以上のものとしてパフォーマンスされていた。それこそ、「これは真似できないな」と思いました。

──そこから交流は始まった。

paya:イベントやフェスで一緒になって遊んだりしましたね。

レイジ:〈ボロフェスタ〉とか、あと長野のフェス〈音泉音楽〉(2024年12月14日~15日、渋温泉・金具屋)にNagakumoと幽コミが出たんですけど、あれは今回の僕らとNagakumoの共作曲「ディア・マイ・モーメント」にとって結構意味がある。

paya:そうなんです。配信シングルのジャケットに使ってるのが、実はそのイベントの会場になった旅館で撮った写真なんですよ。その時はただ楽しかったから一緒に撮っただけだったんですけど。

「ディア・マイ・モーメント」ジャケット
目を凝らしてみると「お写真処お立ち台」の文字が

婚約指輪の代わりに、DTMの画面をパカっと

──なるほど、そこで今回のお互いの新作リリースにもつながる話になってきます。そもそも「ディア・マイ・モーメント」を共作したきっかけは?

paya:最初は、僕から切り出したんです。 実は「ディア・マイ・モーメント」は、僕の中でずっとお蔵入りにしていた曲でした。 なぜお蔵に入ってたかというと、さっきの話にもつながるんですけど、要するに僕じゃ鳴らせない音が必要になるなと思ってたからで。

でも、その曲を思い出したのは、2025年の10月に京都から東京へ引っ越すことを決めたことがきっかけでした。あらためて関西にいた頃の自分たちのことを思い返して、「あの時間って、自分にとってどういう意味があったんだろう」とか、「どういう関係を築けていたんだろう」とか。 その中でひとつ、どうしても僕が諦めきれなかったのが、あのお蔵入りにしていた曲をちゃんと完成させることだった。 僕らが関西でずっとやってきたことがあって、今は近くにNagakumoというバンドがいて。だったら、これはやるしかないんじゃないかと思ったんです。

レイジ:その話を(payaが)メールとかLINEじゃなくて、直接してくれたのを覚えてます。今年、京都の磔磔でのライブ(2026年1月24日)で幽コミにゲストに出てもらったんですよ。 その打ち上げにpayaさんがノートPCを持ってきて、すっごい笑顔で「曲、聴いて」って(笑)。聴いたら僕も「最高の曲だ! やるしかねえ!」みたいな感じになって話が進み始めました。

──「付き合ってください!」ぐらいの勢い。

レイジ:でしたね。婚約指輪のケースの代わりにDTMの画面をパカっと開けた、みたいな感じ(笑)。こちらこそよろしくお願いします、となりました。

paya:言うなら直接ね、言いたいじゃないですか。

幽体コミュニケーションズ - 『ディア・マイ・モーメント (feat. Nagakumo)』(Official Music Video)

幽体コミュニケーションズ - 『ディア・マイ・モーメント (feat. Nagakumo)』(Official Music Video)

──その時点では、デモですよね。どうやってブラッシュアップしていったんですか?

paya:まず作詞作曲は僕がしていて、簡単にアレンジしたトラックをレイジ君に送って、あとはもうNagakumoに全部おまかせでした。

レイジ:でも、2人で揉む時間も長かったですけどね。みんなに送る前に、2人で構成を考えたり。「ここにCメロ入れるか」とか。

paya:レイジ君が投げ返してきた音を聴いたとき、本当にすごくトキメキがありました。その頃、ずっと欲しかったけど、ちょっと高くて買えずにいたスニーカーがあって。レイジ君から返ってきた音を聴いた瞬間、「やっぱり買おう!」っていう気持ちになれたんです(笑)。

──ではNagakumoとしては、「ディア・マイ・モーメント」 をどうやってアレンジしていったんですか?

レイジ:最初にpayaさんから送られてきたデモを聴いた感想は「payaさん、Nagakumoのこと好きすぎるだろ!」でした(笑)。 なので、まずはNagakumoっぽさを期待してくれてる気持ちに素直に応えようと思って進めたところがあります。 自分たちが過去に作ってきた曲とか、それこそ幽コミと一緒にライブでやった曲とかを思い出しながら。 でも、2番からトラップ・ビートになるのは、僕からの「幽コミのことを好きすぎる」という気持ちで入れました。

──フィーチャリング・Nagakumoというクレジットにはなってるけど、実際は本当に共作なんですね。

レイジ:楽しかったですね、単純に。あんまりこれまで人と一緒に曲を作ったことがなくて、すごく憧れてたんです。 今年は結構そういう機会があって、個人の制作にもかなりいい影響が生まれてると思います。

Nagakumoでバンドの音源を作るときは、普段は僕が1人で作り込むんですけど、今回はこれまで体験したことのないやり方だったので、新鮮で楽しかったですね。

幽コミの「昼のアルバム」と、5年かけて辿り着いたNagakumoのファースト・アルバム

──そして、このタイミングでNagakumoはファースト・アルバム『NGKM』、幽体コミュニケーションズはセカンド・アルバム『忘 れて』がリリース。すでに2人の間では話し尽くしてることかもしれないですけど、お互いのアルバムをどう聴いたのか、知りたいです。

paya:Nagakumoが好きで、ずっとアルバムを待ち望んでた人は本当に幸せ者だろうなと思いました。僕自身がそうで、自分はすごく幸せ者だなと思ったからなんですけどね。ずっと好きで聴いてきた人がうれしくなる要素がたくさんあって、これまでのNagakumoとこれから先のNagakumoを両方見せてもらえるようなアルバムに感じました。

レイジ:僕は、「ディア・マイ・モーメント」がアルバムでどういう立ち位置になるんだろう? Nagakumo色を出しすぎているけど、ちゃんと馴染んでくれるのかな? みたいなことを気にしてました。でも、そんなのは杞憂でしたね。アルバムが素晴らしすぎた。これまでの職人気質なクラフト感のあるテクスチャーは残しつつ、すごくポップでキャッチーかつ聴きやすいメロディが幽コミらしさと見事に調和していて。「これが見えていたから、Nagakumoを誘ってくれたのかな」と思うくらい、後から答え合わせができたようなアルバムでした。

──確かに『忘 れて』は、これまでの個性を残しながらも、すごくポップで曲がまっすぐですよね。

paya:「昼のアルバム」を作りたいと思ってたんですよ。ファースト・アルバム『文明の欠伸』(2025年5月14日)では、いろんな国の音楽を引っ張ってきたりしながら作ってたんですけど、その時にラテン・ミュージックの要素だけはどうしてもうまく手に馴染まなかったんですよね。 それがすごく心残りで、次はラテン・ミュージックからいろんな要素を取り込んだものを出したいと思った。 それが僕の中では「昼」の要素で、結果的に「昼のアルバム」になるように作っていたんです。それがうまく合流しているので、おっしゃっていただいたような印象になったのかな。

レイジ:最高ですよね。僕はラテン・ミュージックとかボッサ、MPBが好みのジャンルなので、すごくうれしかったです。

幽体コミュニケーションズ - 『Ghost diary』 (Official Music Video)

幽体コミュニケーションズ - 『Ghost diary』 (Official Music Video)

──ネオネオアコとか、ネオ渋谷系とかいろいろ言われてますけど、あの時代にあった良い部分、つまり、「好きなものを好きだからやっていい」みたいな感性が両方のバンドにはすごく出てると思ってます。 こねくり回す前に、とりあえずまっすぐ好きな球を投げるみたいな部分の良さを、2枚のアルバムからはすごく感じました。 Nagakumoは 5年間活動してきて、ある意味ではようやくのファースト・アルバムになるわけですけど、やってきたことは最初からもう一貫している? それとも、やっていくうちに変化してきたなと思う部分はある?

レイジ:ああ、そうですね。変化はありますね。音源制作から始まったバンドで、曲があって、それをライブでやるというのが最初だったんですけど、このメンバーでずっと活動していくなかで、それぞれのプレイヤーとしての魅力への理解がどんどん深まってきて。

ライブから曲想を得てそこから音源を作るという、最初とは逆の順番での音源制作が『NGKM』には結構表れているのかなと思います。例えば「ショートバラード」はライブではずっとやっていて、ライブでやっていることを音源化するような方向でアレンジも進んでいきました。そういう動きは活動当初にはなかったので、そこは変化ですね。

オオニシレイジ(Nagakumo)

──実際、Nagakumoはライブもすごい評判じゃないですか。

レイジ:いい意味で「思ってたのと違う」と言われます。バンドっぽい、アグレッシブな感じなので。

──カジヒデキさんも、こないだソロ・デビューから30周年記念のライブをしてましたけど、めっちゃ繊細で可愛い人に見えますけど、ライブになると結構獰猛なんですよね。 それに近い部分がNagakumoにももしかしたらあるのかもしれない。

レイジ:カジさんのそういうところも大好きで、絶対影響受けてます。「渋谷系」っていう言葉自体かなり広い範囲を指すものだと思うんですけど、そのなかでも反骨精神のあるパンキッシュな渋谷系みたいなニュアンスのほうが、Nagakumoは近いと思っています。オシャレで都会的、みたいな感じでは意外とないのかな。

メンバーそれぞれ好きな音楽が違っていて、メンバーそれぞれが持っている引き出しには僕にはない要素がある。なので、ライブや音源制作を通していろんな要素がミックスされて、単なるネオアコのフォロワーではなく、「ネオネオアコ」になっているというのはあると思います。

Nagakumo - Bedtime Bear (live from “ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE” 2024)

Nagakumo - Bedtime Bear (live from “ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE” 2024)

──幽体コミュニケーションズは、ライブについてはどういう感じで考えてきたんですか?

paya:僕らの編成は、ボーカルが1人、エレキギターが1人いて、僕はiPhoneを楽器として使いながら、ギター以外の音を出しています。そういう形だと、どうしてもカラオケみたいに見えるところもあるので、肉体と楽器、デジタルの音をどう接合させていくか、ということは意識しています。

演劇の舞台セットって、どう見てもハリボテですけど、観劇しているあいだはそれがマイナスになるわけじゃない。作品の世界観に没入できる道具としてちゃんと機能している。それを自分の音楽で表現するにはどうしたらいいんだろう、ということはよく考えますね。

──そういう意味では両バンドともそれぞれ表現の仕方は違うけど、頭脳的に設計されてる感じがするんですけど、表現としては身体的。

paya:Nagakumoのライブを観ていると「だいぶじゃじゃ馬だな、これは」っていつも思うんです。僕らは打ち込みで音楽の音を出しているけど、どうしてもそいつらは暴れてくれない。そこをどううまく壊していけるかみたいなことを考えた時に、Nagakumoの暴れ馬な感じはやっぱりすごく憧れる部分でもある。

レイジ:Nagakumoはオーソドックスなフォーピース・バンドなので、そこを壊してる幽コミのスタイルに、逆に僕はめっちゃ憧れてます。初めて幽コミのライブを観た時も「この人ステージの上で iPhoneずっと触ってるんやけど」って衝撃がまずありましたし、そこから出てくる音も、「今これは誰が鳴らしてる音なの?」みたいな。そういう楽しさがあって、僕のほうこそ羨ましいところがあります。

paya(幽体コミュニケーションズ)

僕らのいないところで、僕らのことをしゃべってほしい

──では、お互いの新作の収録曲やアルバム自体について、それぞれ好きなところや気になったところを聞きたいですね。

paya:僕は「ストライプ・ストライプ」ですね。レイジくんがメインでボーカル取ってる曲なんです。 すごく好きです。

レイジ:アルバムで唯一の曲ですね。

paya:レイジくんがボーカルやコーラスで出てくる場面は、もちろんほかの曲にもあるんですけど、こんなにがっつりメインでボーカルを取っている曲はなかった。 そういう曲を聴くと、「あ、こんな表情があるんだな」って気づいたりするんですよ。まあ、それ以前にそもそもレイジくんの歌声が好きなんですけど。 僕は、顔が浮かぶような声を出す人が好きなんです。のっぺらぼうの声じゃなくて、この顔が浮かぶ、という声。

レイジ:恥ずかしいですね(笑)。アルバムの中で1曲ぐらいはスパイスとして、僕がメイン・ボーカルを取る曲があってもいいんじゃないかと思って、いわばシングルのB面曲みたいな感じで作り始めたのがきっかけです。

──オオニシさんの幽体コミュニケーションズ新作でのお気に入り曲は?

レイジ:2曲いいですか? 今回のアルバムを再生したら、もう1曲目、2曲目の時点でもう良すぎて思わず手を止めましたね。さっきpayaさんがラテンの要素を入れていると言っていましたけど、僕らがやっているネオアコや渋谷系みたいな音楽には、バックボーンのひとつとしてボサノヴァがあって、僕が好きなそのニュアンスが幽コミの作品にきれいに落とし込まれている、その仕事のキレイさにすごく衝撃を受けました。

「今なんて言おうとしたんだっけ?」は、2曲目にして緩急をつけるという判断も、ある意味で挑戦的。でも世界観は統一されていて、アルバムの流れとしてすごく聴きやすい。作品に対する取り組みが自分本位すぎないし、ファンを喜ばせる気持ちも忘れていない。それが純粋にうれしかったですね。

paya:1曲目から「今までの雰囲気と違うぞ」っていうのは感じてほしくて。僕らのファーストって、眠たくなる曲ばっかりだったから(笑)。

レイジ:いや、それは良さ(笑)。

paya:「今なんて言おうとしたんだっけ?」でちょっとチルな感じにしたのはシエスタっぽい雰囲気にずっと憧れてたから。 そこからは休憩したりお昼寝するモードに入ってほしいというのは1曲目から2曲目への流れで考えてたことなので、そういう風に聴いてくれてうれしい。

レイジ:両方イントロで叫びましたし、ガッツポーズしました。「うわっ、これの次にこれあるんですか? うわっ、次の曲も楽しみ」みたいな聴き方ができる。

──地域性についてはどうですか? payaさんは2025年に京都から東京に拠点を移した。Nagakumoは関西に居続ける?

レイジ:そうですね。京都の〈music studio SIMPO〉で最初から今まで6年間音源を作ってきているので、一緒にやってきたチームは大事にしていきたい。そういう意味では、これからも関西拠点です。でも、どこに住んでいるかってそこまで関係ないと思うんです。むしろ、Nagakumoや幽コミみたいなバンドが、いろんな場所から出てきてくれたら僕は結構うれしい。

paya:僕もそう思います。住んでいる場所が違っても、こうして僕らみたいなバンド同士がつながっていくことで、ひとつのシーンのようなものが見えてくるんじゃないかなと。同じ時代に生まれて、同じ時期に活動しているバンドを俯瞰して見たときに、「こういうところでつながっているんだね」とか、「こういう音楽の流れがあるんだね」みたいな発見があったら、おもしろいなと思います。

こういうインタビューが、今の僕らの活動を記録するものとして残るのであれば、これを読んだ未来の人たちにも、ここから何かを見つけてほしいという気持ちがあります。

レイジ:「このバンドとこのバンドとこのバンド、似てるよね」みたいな発見ってリスナーがしてくれるものでもある。「渋谷系」がフリッパーズ自身が発信した言葉ではないように、お客さんがいないと音楽は成立しない。それもすごく大事なことだなって。なので、もっと「これ何系だよね」みたいにシーンとして雑にまとめてくれて、そこから議論が起こったら結構おもろいのかなって。

paya:僕らのいないところで僕らのことしゃべってほしい(笑)。僕らの知らないスラングで。

レイジ:僕も、勝手に評価して勝手に批判してくれたら本望です。

PHOTOGALLERY

撮影:Honoka Murotani

編集 : 石川幸穂

Nagakumoの“ネオネオアコ”がこれでもかと詰め込まれた、1stアルバム
「忘れる」ことをテーマに、ボッサ、MPBへ挑戦した幽コミの2ndアルバム
LIVE INFORMATION

Nagakumo 1st Full Album NGKM Release Party〈It's like a supermoon〉

2026年9月26日(土) 東京・キネマ俱楽部(2F SOLD!)
2026年9月27日(日) 大阪・心斎橋Pangea

■TICKET INFO
前売4,800円 / 学割3,800円 (ドリンク代別途要)

⚫︎ローチケ
https://l-tike.com/nagakumo/
⚫︎e+
https://eplus.jp/nagakumo/
⚫︎ぴあ
https://w.pia.jp/t/nagakumo/


幽体コミュニケーションズ 『 』?

2026年10月18日(日) 東京 WWW
OPEN 17:15 / START18:00

■TICKET INFO
前売4,000円 / 学割3,000円 (ドリンク代別途要)

⚫︎e+
https://eplus.jp/yu_komisan/

幽体コミュニケーションズ インタビュー記事
幽体コミュニケーションズのファースト・アルバム『文明の欠伸』でめぐる、音と言葉の旅
ステージ上にはギターとマイク、iPhoneのみ──幽体コミュニケーションズの丹念な音設計に迫る
DISCOGRAPHY

■Nagakumo


■幽体コミュニケーションズ

INFORMATION

■Nagakumo
⚫︎Official Site : https://nagakumo.jimdosite.com/
⚫︎X : @ngkm_band
⚫︎Instagram : @ngkm_band
⚫︎YouTube : @ngkm_band


■幽体コミュニケーションズ
⚫︎Official Site : https://yutaicommunication.wixsite.com/-site
⚫︎X : @yu_komisan
⚫︎Instagram : @yu_komisan
⚫︎YouTube : @Yutai_Communications

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