中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、GSKと、抗デングウイルス抗体「AID351」に関する独占的ライセンス契約を2026年8月17日に締結しましたので、お知らせいたします。本契約は、2025年1月30日に両社間で締結された「AID351」のコラボレーション契約に基づくものです。
本契約により、GSKは中外製薬から、「AID351」のデング熱を含むフラビウイルス感染症に対する全世界における開発、製造、および開発に成功した場合の商業化に関する独占的ライセンスを取得します。今後、GSKが「AID351」の第I相臨床試験をはじめとする臨床開発および製造を主導します。中外製薬はこの対価として、「AID351」が将来的に製品化された場合の製品売上に応じたロイヤルティや、GSKが第三者へサブライセンスした際に得られる収入の一定割合をGSKから受け取る権利を有します。
本契約は、世界保健機関(WHO)が定める「顧みられない熱帯病(NTDs)」の一つであるデング熱を克服するための抗デングウイルス抗体共同開発プロジェクトを起点とするものです。本プロジェクトは、A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(A*STAR SIgN)とシンガポール国立大学(NUS)由来の抗体をリードとして、中外製薬グループのシンガポールにおける研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)とA*STAR SIgNとのコラボレーションにより研究開発が進められ、この間、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)から2度の助成金支給を受けてきました。
GSK Chief Global Health OfficerのDr. Harmony P. Gargesは、「本契約は、低所得国において大きな負担となっている感染症の状況を変えていきたいというGSKの強い意志を示すものです。デング熱は、世界で年間1億から4億人が感染していると推計されている一方、依然として十分な解決策はありません。AID351は、こうした脆弱なコミュニティに解決策を提供できる可能性を有しています。本領域における大きなアンメットニーズに対し、このイノベーションを前進させるGSKのパートナーシップ、科学への挑戦、そしてコミットメントを誇りに思います」と述べています。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「当社は、革新的な医薬品の創製と保健医療へのアクセス向上を通じて、グローバルヘルスへの貢献に向けた取り組みを進めています。今回のGSKとの独占的ライセンス契約の締結は、2025年1月に締結したコラボレーション契約から大きく前進した重要なマイルストンです。GSKのグローバルな開発力と当社の革新的な抗体エンジニアリング技術を組み合わせることで、デング熱という深刻な社会課題の解決に向けて、新たな解決策が一日も早く世界中の患者さんのもとへ届けられることを強く願っています」と述べています。
中外製薬とGSKは、本契約を通じてデング熱に対する革新的な新薬の開発をより一層加速させ、患者さんに希望を届けるとともに、社会課題の解決に貢献してまいります。
デング熱について
デング熱は、蚊を媒介とする熱性疾患で、熱帯および亜熱帯の都市化された地域で急速に広がっています。重症化すると、重篤で致死的なデング出血熱やデングショック症候群に進行し、アジアおよびラテンアメリカの多くの国で入院と死亡の主な原因になっています。世界保健機関(WHO)によると、現在世界人口の約半数がデング熱の感染リスクにさらされており、毎年推定1億~4億人が感染しているとされていますが1、現在有効なデング熱治療薬は存在していません。
AID351について
デング熱を引き起こすデングウイルスには、4種の異なる血清型の存在が知られています。A*STAR SIgNとNUSが、これらすべてのデングウイルスの血清型に高い中和活性を示す新規ヒト抗体を見出し、CPRが中外製薬独自の抗体エンジニアリング技術を応用して抗体の最適化を手がけ2017年に創製された抗体医薬品です。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
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