澤野弘之トータルプロデュースによる“挑戦者に追い風を吹かせるチームプロジェクト”NAQT VANE(ナクトベイン)。『仮面ライダーゼッツ』主題歌「VISIONS」が総再生回数9,200万回超えのヒット、7人のパフォーマー(Risa、KANA、SWOOGZのSEIYA、HARUKA、YUAN、SHUKI、RYUSEI)加入など注目を集める中、澤野弘之とボーカリスト・Yunoaにインタビューを敢行した。
新体制に至るまでのストーリーや想い、仮面ライダーとの親和性。そして、このたびリリースされた新曲「Breathe」(Huluオリジナル『八神瑛子 -上野中央署 組織犯罪対策課-』エンディングテーマ)やそのMV含む制作秘話、今後のヴィジョンについても語ってくれている。NAQT VANEへの期待値が高まるテキストとなっているので、ぜひ最後までご覧いただきたい。
Interviewer:平賀哲雄
Yunoaが残ってここで活動していくという意思表示をしてくれたことが大きかった--昨年10月リリースの『仮面ライダーゼッツ』主題歌「VISIONS」がヒット、昨年12月に7人のパフォーマー加入、今年4月にデビュー時からのボーカリスト・Harukazeさんが体調不良により活動終了と、ここ1年は激動の日々を送っていたと思うのですが、どんな心境で活動されていたのでしょう?
Yunoa:いろいろありましたね。特にHarukazeの件に関しては、いろんな感情が入り混じっていて。私は彼女の歌がすごく好きだったので……悲しかったのと、寂しかったのと、あと、ひとりになる怖さみたいなもの。私のほうが歴が短いのもあるし、やっと3年目に突入した感じなので。でも、楽しみなところもあって。ソロの活動もしていて、その中でNAQT VANEでの活動もしていて、今までしてこなかった研究を始めるフェーズに入って「おぉー!」みたいな。いろんな新しい出逢いがいっぱいあるんだなという喜びもありましたし。とにかくすごく忙しい期間でしたね。
--具体的にはどんな研究を始めることになったんでしょう?
Yunoa:ふたりで歌っていた楽曲をすべてひとりで歌うことになったので、それによってつまらなくなっちゃいけないから、そこをめちゃめちゃ考えましたね。納得いかないものは出せないし、そこは結構難しいところだし、今も研究中。あと、Harukazeが“太陽”、私が“月”で対になるようなコンセプトのライブハウスツアーや楽曲もやってきたんですけど、これからのNAQT VANEを月で埋め尽くしちゃいけないなとも思ったり。NAQT VANEが持つ元々の明るさみたいなものを消してはいけないなって。
--NAQT VANEは元々コンセプト的に流動的なチームプロジェクトとしてスタートしていますが、ここ1年ぐらいの変化に対して澤野さんはどう捉えていたんでしょう?
澤野弘之:もちろんHarukazeの歌声もパフォーマンスも好きだったので、残念な部分はあったんですけど、NAQT VANEというプロジェクト自体がそれこそ流動的というか、いろんなことを試していこうという考えの中で動いていて。だからこそ、途中からYunoaが入ってくれたことによって新しい広がりが見えたわけで。ただ、ボーカルがYunoaひとりになることに対して、彼女がどういう決断をするのかが重要ではありました。
--なるほど。
澤野弘之:そんな中で、Yunoaが残ってここで活動していくという意思表示をしてくれたことが大きかったというか、Harukazeがいたときとはまた違うエネルギーを感じられて「新たなスタートを切れるな」という気持ちにさせてもらえたので、感謝しています。なので、この変化をポジティブに捉えて、これまでNAQT VANEを聴いてくれていたお客さんはもちろん、これから聴いてもらう人たちに向けてどういう音楽をぶつけていけるか。そこに気持ちを持っていくことが重要だという気持ちになりましたね。新たに7人のパフォーマー(Risa、KANA、SWOOGZのSEIYA、HARUKA、YUAN、SHUKI、RYUSEI)が加わったことによって、視覚的な部分で新しいアプローチもできるようになりましたし。
--そこの変化も大きかったですよね。
澤野弘之:音楽ってもちろん最初は耳で聴いて好きか嫌いか判断すると思うんですけど、MVなどで映像と共に観たときに印象や受け取り方も変わると思うんですよね。これは僕の個人的な解釈ですけど、K-POPなどもまさにそうだと思っていて。曲だけ聴いて仮に淡々とした印象を受けたとしても、ダンスと共に見せることによって音にない部分を補完して、格好良くエモーショナルに聴かせることができる。実際、NAQT VANEもパフォーマーが入ることによってまた曲の印象が変わったり、Yunoaがパフォーマンスするときの見え方も大きく変わったなと感じました。新体制になってからの「GREENLIT」「Pi-Po」、そして、今回の新曲「Breathe」は、そういった部分が伝わるような3曲になっていると思います。
--NAQT VANEの変化=進化と共にYunoaさんの表現者人生も大きく変わっていると思うんですけど、NAQT VANEへの加入タイミングで初めてラップに挑戦することになり、7人のパフォーマーが加入してからはダンスにも挑戦するようになりました。
Yunoa:ラップをやることになったときも驚いたんですけど、ダンスに対してはいちばんビビっていました。パフォーマーの加入が決まったときは「良いじゃないですか!」って手放しで喜んでいたんですよ。でも、パフォーマーが入るっていうことは、ステージング、パフォーマンスとしては自分も多少踊る可能性があるということに気付いて「ん?」みたいな(笑)。でも、よくよく考えたらそりゃそうだよなと思って。歌っているときって「体をどう使うか」とか「ここの筋肉を使おう」とかすごくいろんなことを考えているんですけど、ダンスをやるとなるとそれに加えて振り付けも頭に入れなきゃいけないし、「もうひとつ追加されるってこと? 頭のキャパ、大丈夫かな?」みたいな(笑)。ダンスはまったくの未経験だったので、YouTubeでダンスレッスンの動画を観たりしながら「私がこれをやるの?」って最初はとにかくビビっていましたし、今もダンスは修行中ですね。
--今、7人のパフォーマーの皆さんとは、どんなチームになれているんですか?
Yunoa:みんな、同世代なんですよ。私、同世代の友達が全然いなかったんです。何を話したらいいか分からなくて(笑)。でも、パフォーマーのみんなは結構ワチャワチャ系ですごく元気なので、私のこともその輪に巻き込んでくれるんですよね。そのおかげで初めて同世代の中に溶け込めて、今はちゃんと言いたいことも言い合える仲になれているし、学べることもたくさんあって。なので、助かっています。なぜか「姉さん」って呼んでくれているし(笑)。
--澤野さんはシンセサイザープレイヤーですし、その音楽にはエレクトロやダンスミュージックの要素も当然ながらあるわけですけど、これまでダンスパフォーマンスありきのイメージってほとんどなかったですよね。そういう意味では、澤野さん自身にとっても新しいアプローチになっていると言えるのかなって。
澤野弘之:新鮮ですね。ここ数年は、海外の影響も受けてEDMとかダンサブルなものを自分の中に取り入れてつくっていましたし、元々そういう音楽が好きでもあったんです。なので、そういうサウンドをつくりながら「果たしてダンスと一緒になったらどうなるんだろう? 自分の曲に踊りはハマるんだろうか」という興味はあって。どこかでちゃんと形にしたいと思っていたらNAQT VANEで実現できたんですよね。今は「自分の音楽とダンスがいっしょになったら、こういう表現になるんだ? こういうハマり方をするんだ」という部分が見れているのが毎回面白いし、刺激を受けて「今後、どういうサウンドをつくろうかな」というところにも繋がっていくので、そこはファンやリスナーの皆さんにも面白がってもらえたら嬉しいですね。
Yunoa:私はパフォーマーのみんなが入ってくれて「めっちゃ良いじゃん」ぐらいにしか思っていなかったんですけど……(笑)。
澤野弘之:そういう表現がいちばん素直でいいよ(笑)。
Yunoa:でも、この前【澤野弘之 LIVE [nZk]009】にNAQT VANEも出演させてもらったんですけど、他の出演者さんが「すごーい! 見たことない、こんなの! 澤野さんの音楽とダンスが合わさったらこんな風になるんだ!」って言ってくれたから「あー、そういう風に映るのか!」って。もちろん私も新しいことをやっている気持ちではあったけど、結構すんなり受け入れちゃっていたから、まわりの人が新しい感動を受けているところを見て、お客さんも「Pi-Po」のフリを踊ってくれていたし、それに私も感動しちゃって、「澤野さん、どこまでも行くやん」みたいな(笑)。
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